保有オーナーのお金の見方 / 01

毎月赤字でも、
持ち続けていい?

「家賃でローンが減るから大丈夫」。
その説明に、出口の手残りは入っていますか。

マンション模型、収支帳簿、返済資料と鍵を並べ、保有と売却を比較する記事専用イラスト
01毎月の持ち出し払えるか
02ローン残債いくら減るか
03出口の手残り最後に残るか
01 / お金の流れ

「家賃 − 返済」だけでは、
本当の赤字は分からない。

管理費や積立金、年払いの税金も入れます。月々の送金額がプラスでも、年間では持ち出しになることがあります。

1か月の収支例
家賃などの入金+9万円
ローン返済−7万円
管理費・修繕積立金など−2万円
税金・保険など(月割り)−1万円
毎月の持ち出し1万円

賃貸管理料は管理費などに含む仮定。所得税・住民税、空室・設備交換の費用は別。

02 / 元金返済の意味

現金は減る。
でも、借金も減っている。

上の返済7万円が「元金5万円+利息2万円」なら、月1万円の持ち出しと同時に、残債は5万円減ります。

現金の減少−1万円
+
負債の減少5万円
=
純資産の変化+4万円
物件価値・税金・取引費用が変わらない仮定。毎月使える現金が4万円増える、という意味ではありません。
03 / 出口まで比べる

同じ月1万円の赤字でも、
売却価格で結果が逆転する。

現在3,000万円で売れる物件を、さらに5年持つ例。ここでは税金と時間価値を除き、今日以降の入出金を単純合計します。

比較の基準:今売った手残り
3,000 − 残債2,700 − 費用110
190万円
5年後も価格が同じ
売却価格
3,000万円
残債
−2,400万円
売却費用
−110万円
5年間の持ち出し
−60万円
今日以降の合計〈税引前〉
430万円
今売るより240万円多い
5年後に価格が10%下落
売却価格
2,700万円
残債
−2,400万円
売却費用
−100万円
5年間の持ち出し
−60万円
今日以降の合計〈税引前〉
140万円
今売るより50万円少ない
5年後に2,500万円へ下落
売却価格
2,500万円
残債
−2,400万円
売却費用
−95万円
5年間の持ち出し
−60万円
今日以降の合計〈税引前〉
−55万円
今売るより245万円少ない

すべて仮定です。残債は5年間で300万円減少、保有中は返済・経費を含め月平均1万円の持ち出し。売却費用は比較用の概算設定です。過去の購入費用・収支は含まないため、投資開始からの利益ではありません。

税金と、お金を受け取る時期について

実際には保有中の所得税・住民税等と売却時の税金を反映します。今受け取れるお金には、別の用途に使える価値もあります。上の比較は税引後の優劣や現在価値を示していません。

04 / 見落としやすい費用

小さな月額差も、
5年では手残りを動かす。

毎月の持ち出し

さらに3,000円増えると

−18万円

3,000円 × 60か月
積立金・管理費などの増額例

空室

家賃9万円が2か月入らないと

−18万円

9万円 × 2か月
原状回復・募集費は別

設備交換

一度に10万円かかると

−10万円

交換費用の仮定
修理見積りとは異なります

5年比較にまだ織り込んでいない支出・未入金が発生した場合の追加影響。既に予算に入れていれば、重ねて引きません。

05 / 何から動くか

「売るか」より先に、
この順で確認する。

1

今の持ち出しを無理なく払える?

難しければ、生活資金を圧迫する前に返済条件や売却可能額を確認。

2

価格が下がっても、持つ利点が残る?

今売る手残りと、保有中の収支+将来売却の手残りを比較。

3

条件の見直しで、結果は変わる?

借り換え費用・募集条件・管理費用を確認。見直し後の数字で再比較。

06 / 自分の物件で確認

まずそろえる資料は、3つ。

チェックはこの画面だけで使えます。入力内容は保存・送信されません。

手残りと、税金の計算は分ける
売却価格−残債−現金費用・税金=手残り

税務上の譲渡所得は、売却収入から取得費・譲渡費用を引いて計算。建物の取得費には減価償却が関係します。国税庁の説明 ↗

いまの悩みから、もう一歩。

出典・試算について

税務説明:国税庁「No.3202 譲渡所得の計算のしかた(分離課税)」(2026年9月25日確認)。運用の助言:Smart Selectの見解。既存の繰上返済・借り換え記事、空室対策記事との関連を整理しています。

図解・数値例は説明用の独自試算です。相場・将来価格・収益を保証しません。個別の税額や契約条件は資料に基づいて確認してください。