毎月の持ち出しを減らすなら返済額軽減型、利息を減らすなら期間短縮型。借換は金利だけでなく、諸費用と保有予定年数までそろえて比べます。

毎月の赤字を減らすか、利息を減らすか

目的で選ぶ、3つの方法
  1. 返済額軽減型完済予定を変えず、毎月の返済額を下げる。
  2. 期間短縮型毎月の返済額を保ち、完済を早める。
  3. 借換新しい投資用ローンで今のローンを返す。金利と諸費用を比較する。

期間短縮型でも手元資金は減ります。家賃下落や設備故障に備える資金を先に確保します。

今の持ち出しを減らしたいなら、まず返済額軽減型を確認します。 期間短縮型は返済が終わるまで月額がほぼ変わらず、直近の赤字対策にはなりません。

繰上返済は予定より先に元金を返す手続きです。その元金に今後かかる利息を減らせます。同じ時点・同じ金額・同じ金利なら、期間短縮型の方が利息を減らしやすくなります。住宅金融支援機構の賃貸住宅融資の説明でも2つの方法を確認できます。利用できる方法や最低金額は契約ごとに異なります。

300万円を繰上返済すると、いくら変わる?

残債3,000万円・残り25年・元利均等返済で、今すぐ300万円を返す例です。金利は完済まで一定、ボーナス返済なし。手数料・税金・運用益は含めず、端数は表示時に丸めています。提示金利や将来の金利予測ではありません。

金利返済額軽減型の月額毎月の負担減
2%114,441円12,716円
3%128,037円14,226円
4%142,516円15,835円
金利期間短縮型の利息削減完済まで
2%179.4万円21年11か月
3%302.3万円21年6か月
4%452.7万円21年1か月

期間短縮型の通常月額は、金利2%で127,156円、3%で142,263円、4%で158,351円のままです。最終回だけ残額を返す前提です。実際の銀行計算は返済日や端数処理で変わります。

金利3%:完済までに払う利息
何もしない1,267.9万円
返済額軽減型1,141.1万円
期間短縮型965.6万円

残債3,000万円・残り25年。繰上返済は両方式とも300万円。グラフは利息だけで、元金・手数料は含みません。

金利3%から2%への借換と比べる

借換は300万円を返さず、残債3,000万円を新しいローンへ移す例にします。期間は同じ25年、借換諸費用は合計70万円を現金で支払う仮定です。70万円は比較用の設定で、特定の金融機関の見積額ではありません。

方法毎月返済今必要な現金
そのまま(金利3%)142,263円0円
300万円返済・軽減型128,037円300万円+繰上返済費用
300万円返済・短縮型142,263円300万円+繰上返済費用
2%へ借換127,156円諸費用70万円
方法今後の支払総額そのままとの差
そのまま4,267.9万円基準
返済額軽減型4,141.1万円126.8万円減
期間短縮型3,965.6万円302.3万円減
2%へ借換3,884.7万円383.2万円減

この条件では借換の負担減は月約15,107円、諸費用を引いた総額削減は約383.2万円です。 借換後の金利が変動すれば結果も変わります。期間を延ばして月額を下げる提案とは分けて比較してください。

総額には元金返済を含み、繰上返済の300万円も計上しています。繰上返済手数料は未計上なので、実際の削減額から差し引きます。資金の時間価値や税引後の損得を表す数字ではありません。

諸費用の確認欄は「新ローン事務手数料/旧ローン全額返済手数料/抵当権の抹消・設定と司法書士報酬/契約費用/その他」です。費用を借入に含めるなら、その分の元金と利息も再計算します。

5年後に売るなら、25年分の効果は使わない

保有予定の年数までに払うお金と、その時点の残債を足して比べます。 同じ価格・同じ費用で売る仮定なら、この合計が少ないほど融資に関する負担は小さくなります。

先ほどの「3%のまま」と「2%へ借換・費用70万円」を、売却直前まで比べた試算です。売却時の繰上返済手数料は別途です。

売却時点借換による負担減比較に含めたもの
5年後72.3万円期間中の返済+残債+借換費用
10年後195.4万円期間中の返済+残債+借換費用

月額差だけで70万円を取り戻すまでの目安は約47か月です。ただし、これは資金繰りの目安です。売却時の損得は残債差も含めて判断します。金利差が小さい、残り期間が短い、費用が高い場合は、借換しても負担が減らないことがあります。

売却価格や家賃、管理費も合わせた保有年数別の比較は、売る・持つ判断シミュレーターで確認できます。ここでの借換効果と、物件全体の利益は別の数字です。

繰上返済前に確認する費用と注意点

  1. 手数料を確認する。 一部返済と全額返済で料率が違う場合があります。契約日や経過年数も確認します。
  2. 予備資金を残す。 修繕・空室・税金・家計の緊急支出を賄える額を先に確保します。返した元金を必要時に引き出せるとは限りません。
  3. 団信を比較する。 繰上返済で残債が減ると残債連動の保障も減ります。借換では加入審査・告知・保障開始条件を改めて確認します。
  4. 元金返済と経費を混同しない。 元金を300万円返しただけで300万円の必要経費にはなりません。利息が減れば税務上の必要経費も変わり得ます。ここでは税引前の支払額だけを比較しています。

公開条件の例として、ジャックスの融資条件一覧の「投資用マンションローン(ジャックス融資型)」では、一部・全額繰上返済手数料は融資実行後3年以内1.0%、3年超7年以内0.5%、7年超0.3%と案内されています(2026年9月7日確認)。

300万円なら、それぞれ3万円・1.5万円・9,000円です。この条件を他社や別の契約に流用しないでください。実行前に契約番号に対応する見積書を取り寄せます。

比較に必要なのは、この6項目

残債、残り期間、適用金利、月々の返済額、手数料、保有予定年数をそろえます。借換見積もりは同じ残り期間で取り、金利上乗せ後の団信込み条件を比較してください。

借換前の保障確認には投資用ローンの団信・がん団信、修繕資金の確保には修繕積立金の確認方法も役立ちます。

よくある質問

300万円を繰上返済すれば月々の返済は必ず減りますか?

期間短縮型では通常の月額はほぼ変わりません。返済額軽減型を選べるか、金融機関へ確認してください。

金利差が1%あれば借換した方が得ですか?

残債・残り期間・諸費用・団信条件・保有予定年数で変わります。記事の3,000万円・25年の例をそのまま別の契約へ当てはめないでください。

繰上返済で節税できますか?

元金の返済自体は必要経費になりません。利息削減と税負担の変化を分けて確認します。