毎月の持ち出しを減らすなら返済額軽減型、利息を減らすなら期間短縮型。借換は金利だけでなく、諸費用と保有予定年数までそろえて比べます。
毎月の赤字を減らすか、利息を減らすか
- 返済額軽減型完済予定を変えず、毎月の返済額を下げる。
- 期間短縮型毎月の返済額を保ち、完済を早める。
- 借換新しい投資用ローンで今のローンを返す。金利と諸費用を比較する。
期間短縮型でも手元資金は減ります。家賃下落や設備故障に備える資金を先に確保します。
今の持ち出しを減らしたいなら、まず返済額軽減型を確認します。 期間短縮型は返済が終わるまで月額がほぼ変わらず、直近の赤字対策にはなりません。
繰上返済は予定より先に元金を返す手続きです。その元金に今後かかる利息を減らせます。同じ時点・同じ金額・同じ金利なら、期間短縮型の方が利息を減らしやすくなります。住宅金融支援機構の賃貸住宅融資の説明でも2つの方法を確認できます。利用できる方法や最低金額は契約ごとに異なります。
300万円を繰上返済すると、いくら変わる?
残債3,000万円・残り25年・元利均等返済で、今すぐ300万円を返す例です。金利は完済まで一定、ボーナス返済なし。手数料・税金・運用益は含めず、端数は表示時に丸めています。提示金利や将来の金利予測ではありません。
| 金利 | 返済額軽減型の月額 | 毎月の負担減 |
|---|---|---|
| 2% | 114,441円 | 12,716円 |
| 3% | 128,037円 | 14,226円 |
| 4% | 142,516円 | 15,835円 |
| 金利 | 期間短縮型の利息削減 | 完済まで |
|---|---|---|
| 2% | 179.4万円 | 21年11か月 |
| 3% | 302.3万円 | 21年6か月 |
| 4% | 452.7万円 | 21年1か月 |
期間短縮型の通常月額は、金利2%で127,156円、3%で142,263円、4%で158,351円のままです。最終回だけ残額を返す前提です。実際の銀行計算は返済日や端数処理で変わります。
残債3,000万円・残り25年。繰上返済は両方式とも300万円。グラフは利息だけで、元金・手数料は含みません。
金利3%から2%への借換と比べる
借換は300万円を返さず、残債3,000万円を新しいローンへ移す例にします。期間は同じ25年、借換諸費用は合計70万円を現金で支払う仮定です。70万円は比較用の設定で、特定の金融機関の見積額ではありません。
| 方法 | 毎月返済 | 今必要な現金 |
|---|---|---|
| そのまま(金利3%) | 142,263円 | 0円 |
| 300万円返済・軽減型 | 128,037円 | 300万円+繰上返済費用 |
| 300万円返済・短縮型 | 142,263円 | 300万円+繰上返済費用 |
| 2%へ借換 | 127,156円 | 諸費用70万円 |
| 方法 | 今後の支払総額 | そのままとの差 |
|---|---|---|
| そのまま | 4,267.9万円 | 基準 |
| 返済額軽減型 | 4,141.1万円 | 126.8万円減 |
| 期間短縮型 | 3,965.6万円 | 302.3万円減 |
| 2%へ借換 | 3,884.7万円 | 383.2万円減 |
この条件では借換の負担減は月約15,107円、諸費用を引いた総額削減は約383.2万円です。 借換後の金利が変動すれば結果も変わります。期間を延ばして月額を下げる提案とは分けて比較してください。
総額には元金返済を含み、繰上返済の300万円も計上しています。繰上返済手数料は未計上なので、実際の削減額から差し引きます。資金の時間価値や税引後の損得を表す数字ではありません。
諸費用の確認欄は「新ローン事務手数料/旧ローン全額返済手数料/抵当権の抹消・設定と司法書士報酬/契約費用/その他」です。費用を借入に含めるなら、その分の元金と利息も再計算します。
5年後に売るなら、25年分の効果は使わない
保有予定の年数までに払うお金と、その時点の残債を足して比べます。 同じ価格・同じ費用で売る仮定なら、この合計が少ないほど融資に関する負担は小さくなります。
先ほどの「3%のまま」と「2%へ借換・費用70万円」を、売却直前まで比べた試算です。売却時の繰上返済手数料は別途です。
| 売却時点 | 借換による負担減 | 比較に含めたもの |
|---|---|---|
| 5年後 | 72.3万円 | 期間中の返済+残債+借換費用 |
| 10年後 | 195.4万円 | 期間中の返済+残債+借換費用 |
月額差だけで70万円を取り戻すまでの目安は約47か月です。ただし、これは資金繰りの目安です。売却時の損得は残債差も含めて判断します。金利差が小さい、残り期間が短い、費用が高い場合は、借換しても負担が減らないことがあります。
売却価格や家賃、管理費も合わせた保有年数別の比較は、売る・持つ判断シミュレーターで確認できます。ここでの借換効果と、物件全体の利益は別の数字です。
繰上返済前に確認する費用と注意点
- 手数料を確認する。 一部返済と全額返済で料率が違う場合があります。契約日や経過年数も確認します。
- 予備資金を残す。 修繕・空室・税金・家計の緊急支出を賄える額を先に確保します。返した元金を必要時に引き出せるとは限りません。
- 団信を比較する。 繰上返済で残債が減ると残債連動の保障も減ります。借換では加入審査・告知・保障開始条件を改めて確認します。
- 元金返済と経費を混同しない。 元金を300万円返しただけで300万円の必要経費にはなりません。利息が減れば税務上の必要経費も変わり得ます。ここでは税引前の支払額だけを比較しています。
公開条件の例として、ジャックスの融資条件一覧の「投資用マンションローン(ジャックス融資型)」では、一部・全額繰上返済手数料は融資実行後3年以内1.0%、3年超7年以内0.5%、7年超0.3%と案内されています(2026年9月7日確認)。
300万円なら、それぞれ3万円・1.5万円・9,000円です。この条件を他社や別の契約に流用しないでください。実行前に契約番号に対応する見積書を取り寄せます。
比較に必要なのは、この6項目
残債、残り期間、適用金利、月々の返済額、手数料、保有予定年数をそろえます。借換見積もりは同じ残り期間で取り、金利上乗せ後の団信込み条件を比較してください。
借換前の保障確認には投資用ローンの団信・がん団信、修繕資金の確保には修繕積立金の確認方法も役立ちます。
よくある質問
300万円を繰上返済すれば月々の返済は必ず減りますか?
期間短縮型では通常の月額はほぼ変わりません。返済額軽減型を選べるか、金融機関へ確認してください。
金利差が1%あれば借換した方が得ですか?
残債・残り期間・諸費用・団信条件・保有予定年数で変わります。記事の3,000万円・25年の例をそのまま別の契約へ当てはめないでください。
繰上返済で節税できますか?
元金の返済自体は必要経費になりません。利息削減と税負担の変化を分けて確認します。