管理費・修繕積立金は、購入時の月額がずっと続くとは限りません。

例えば管理費・修繕積立金が合計で月1万円増えると、他の条件が同じなら年間の現金収支は12万円悪化します。値上げ後の収支を再計算する例から、自分の負担額へ置き換えられます。その際は、長期修繕計画と積立残高も手元に用意してください。

月額だけでなく、3つの資料を確認
  1. 今の費用管理費・修繕積立金・駐車場などの負担を確認。
  2. 将来の計画長期修繕計画、増額予定、一時金の可能性を確認。
  3. 管理組合のお金積立残高・滞納・借入・総会議事録を確認。

全国平均に近くても、その建物で資金が足りるとは限りません。

管理費・修繕積立金・室内修理費の違い

マンションの共用部修繕と一室の設備修理で支払う財布が異なる様子
修繕積立金は共用部の将来修繕に備える資金です。室内設備の修理費は別に備え、実際の負担区分は管理規約・使用細則で確認します。
同じ物件でも、お金の役割は3つ
  1. 管理費=日々の運営管理員、清掃、共用部の電気、点検、委託費など。
  2. 修繕積立金=共用部の将来修繕外壁・屋上・共用設備など、計画した工事に備える。
  3. 室内設備費=各オーナーの備え所有するエアコン・給湯器などの修理交換。原則として別予算。

共用・専有の区分や費用負担の例外は、建物の管理規約・使用細則で確かめてください。

修繕積立金が安いことより、必要な時期に資金が足りることが重要です。 現在の月額、積立残高、今後の工事、値上げ・一時金・借入の計画をセットで見ます。

専有25㎡で月8,000円なら、現在の負担は320円/㎡・月です。ただし、これは「今の徴収額」の単価です。国土交通省の目安は計画期間全体の平均で、期首残高や使用料からの繰入額も含めます。320円という数字だけで資金が十分とは判定できません。

設備故障の予備資金も別に確保しましょう。毎月の収支には管理費・修繕積立金を入れ、室内修理は発生額または予備費の積立として区別して管理します。

注意したい形状・設備|形だけで購入不可にしない

建物を見るときの3つの質問
  1. 外側にどれだけ工事が必要?凹凸の多い外壁、複数の屋上、広いルーフバルコニーは数量と足場計画を確認。
  2. 何人で負担する?小規模・細長い建物は、昇降機などの費用を少ない総専有面積で負担する点を確認。
  3. 維持する設備は多い?タワー、機械式駐車場、共用空調などは専門工事・更新費の計上を確認。

形状だけで欠陥や資金不足を断定しません。長期修繕計画・劣化調査・見積もりに費用が反映されているかが判断材料です。

機械式駐車場では、利用率が下がっても保守・更新の負担が同じ割合で減るとは限りません。使用料収入と更新費に加え、将来の撤去や平面化の検討状況も判断材料です。

「外壁の凹凸が多いから必ず高い」「タワーだから避ける」と結論づけず、必要な工事量と資金計画を確かめてください。国土交通省の目安でも超高層は区分が分かれていますが、個別物件の工事費を保証する数字ではありません。

工事費はどこにかかる?総額と各戸の負担を分ける

工事項目費用を左右する条件
仮設・足場高さ、敷地の余裕、特殊な作業方法
外壁・シーリング外壁面積、タイルや目地の量、劣化状態
屋上・バルコニー防水施工面積、形状、既存防水の状態
給排水・ポンプ配管の長さ、交換範囲、断水対応
エレベーター等の設備台数、部品交換か全体更新か
調査・設計・監理診断、仕様作成、工事中の確認

工事ごとの金額を比べるには、面積・数量×単価の見積もりが必要です。「1戸当たり何万円」という平均だけでは、どの工事を含むか分かりません。国土交通省の長期修繕計画作成ガイドラインの工事項目と照らし、足場・設計監理・消費税まで含む総額を見ます。

例えば50戸・同じ持分の建物で、工事総額6,000万円なら1戸相当は120万円。 ただし、積立金から支払えるなら120万円を直ちに各戸へ請求する意味ではありません。工事時点で3,000万円不足し、全額を同じ持分で一時金徴収する仮定なら、1戸60万円です。

各戸負担は持分で変わります。借入で補う場合は元利返済、増額で補う場合は毎月のキャッシュフローへ反映します。

修繕積立金は何に使われるのか

国土交通省は、修繕積立金を、マンションの共用部分を長期間良好な状態に維持するため、将来予想される修繕工事費を長期間にわたり計画的に積み立てる資金としています。

代表的な工事は次のようなものです。

修繕対象主な内容
外壁・躯体外壁塗装、タイル補修、シーリング、防錆、コンクリート補修など
屋上・バルコニー防水層の補修・更新、排水設備の修繕など
給排水設備給水管・排水管、ポンプ、受水槽等の補修・更新
昇降機エレベーターの部品交換、制御盤更新、主要機器の改修等
駐車設備機械式駐車場の保守、部品交換、大規模更新
その他共用設備照明、消防設備、インターホン、オートロック、共用空調等の更新

一方、管理費は日常の清掃、管理員、共用部の電気、水道、設備点検、管理会社への委託費などに使われる費用です。

つまり、管理費が「日常運営の費用」、修繕積立金が「将来の大型支出に備える資金」という違いがあります。

投資用マンションでは両方とも毎月のキャッシュフローを下げますが、修繕積立金については、安すぎる場合に将来の値上げ・一時金・借入につながる可能性があるため、単純に低いほど有利とは考えません。

大規模修繕の前に投資用マンションを売るべき?

工事の前か後かだけでは、売り時は決まりません。 区分投資では、管理組合の長期修繕計画と自分の負担額が判断材料になります。

  • 次回工事の予定と、決議済みの工事・一時金は何か。
  • 修繕積立金はいつ、いくら増える予定か。
  • 売買契約で一時金などを誰が負担するか。

工事前に売れば費用負担を必ず避けられるわけではありません。管理組合の資料と契約条件をそろえ、今売る場合と保有継続の手取りを比較してください。

建物構造で修繕費は大きく変わる

修繕積立金の必要額は、マンションごとに同じではありません。重要なのは、将来どのような工事が必要になる建物かです。

1. タワーマンション

国土交通省のガイドラインでは、一般に20階以上の超高層マンションは、外壁等の修繕に特殊な足場が必要になることや、共用部分の割合が高くなることなどから、修繕工事費が増大する傾向があるとされています。

さらに超高層マンションでは、物件によって、

  • エレベーターの台数が多い
  • 内廊下の空調設備がある
  • 非常用発電設備がある
  • タワーパーキングがある
  • 免震装置、スプリンクラー、航空障害灯等の特殊設備がある
  • ラウンジ、ゲストルーム、プール等の付帯施設を持つ場合がある

など、一般的なマンションより維持・更新対象が増えることがあります。

「総戸数が多いから1戸当たりは必ず安い」とは限りません。分母となる戸数・専有面積が大きくても、修繕対象そのものが増えれば工事費も増えます。

2. 小規模・ペンシル型マンション

投資用ワンルームでは、豪華な共用施設を持たない比較的シンプルな建物も多くあります。

ただし、共用施設が少ない=修繕積立金が低くてよい、とは限りません。

外壁、防水、給排水、エレベーター、消防設備などは、戸数が少なくても必要です。小規模な建物では、こうした固定的な工事費を少ない総専有面積で負担するため、㎡当たりの負担が高くなる場合があります。

国土交通省の目安でも、20階未満・建築延床面積5,000㎡未満のマンションは、平均335円/㎡・月となっており、5,000㎡以上の区分より高い水準です。

投資用のペンシル型マンションを見るときは、総戸数よりも「建築延床面積」「総専有床面積」「必要設備の数」をセットで確認する方が実態を把握しやすくなります。

3. 機械式駐車場があるマンション

国土交通省は、機械式駐車場について、修繕工事に多額の費用を要し修繕積立金への影響が大きいため、通常の㎡単価とは別に加算して考える特殊要因としています。

現行ガイドラインの事例では、1台当たり月額の修繕工事費は方式により約4,645円〜7,210円などの水準が示されています。

ただし、駐車場使用料で維持・修繕費を賄う会計設計になっている場合は、住戸の修繕積立金へそのまま上乗せする必要がないケースもあります。

確認すべきなのは、機械式駐車場があるかだけでなく、稼働率・使用料収入・修繕費・会計区分がどうなっているかです。

4. 同じワンルームでも修繕費は変わる

投資用マンション同士でも、次の条件で将来負担は変わります。

建物条件修繕費を見るときのポイント
総戸数・延床面積小規模では固定的な工事費を分担する面積が小さく、㎡単価が高くなりやすい場合がある
建物形状細長い建物、複雑な外形、施工スペースが取りにくい敷地では工事方法や仮設費を確認する
エレベーター戸数に対して台数が多いと、保守・更新対象も増える
機械式駐車場修繕・更新費だけでなく、利用率と駐車場会計も確認する
共用設備内廊下空調、ラウンジ、特殊設備等があれば更新時期と費用を確認する
築年・修繕履歴給排水、昇降機など高額設備の更新時期が近づいていないか確認する

国土交通省の㎡単価目安をどう使うか

「修繕積立金は330円/㎡・月以上なら安心」という見方は、一部のマンションでは目安になりますが、全マンション共通の基準ではありません。

国土交通省の現行ガイドラインは、機械式駐車場を除く計画期間全体の平均額について、次の目安を示しています。

階数・建築延床面積平均事例の2/3の幅
20階未満・5,000㎡未満335円/㎡・月235〜430円
20階未満・5,000〜10,000㎡未満252円/㎡・月170〜320円
20階未満・10,000〜20,000㎡未満271円/㎡・月200〜330円
20階未満・20,000㎡以上255円/㎡・月190〜325円
20階以上338円/㎡・月240〜410円

例えば25㎡のワンルームなら、335円/㎡・月は約8,375円/月、338円/㎡・月は約8,450円/月です。

ただし、この数字と「今月実際に徴収されている金額」を直接比べて終わりではありません。

国土交通省の目安は、長期修繕計画の計画期間全体で必要となる修繕費を平均した㎡当たり月単価です。段階増額方式では、現在の徴収額が平均額より低く、将来高くなる設計もあります。

中古購入では、次の金額・予定を分けて把握してください。

  • 現在の修繕積立金
  • 長期修繕計画上の計画期間平均額
  • 次回・将来の増額予定
  • 現在の積立残高
  • 大規模修繕後の残高

中古物件は値上げ履歴と今後の計画を見る

中古投資用マンションでは、修繕積立金がすでに一定水準まで引き上げられている物件や、直近で長期修繕計画を見直し、修繕積立金を増額した物件は確認しやすい面があります。

ただし「最近値上げしたから、もう上がらない」とは断定できません。

重要なのは、値上げの結果として、

  1. 長期修繕計画上の収支が改善しているか
  2. 計画期間中に資金残高がマイナスにならないか
  3. 次の増額予定がいつか
  4. 一時金の予定がないか
  5. 大規模修繕後も必要な残高が残るか
  6. 管理組合借入の返済を含んでも資金が足りるか

を確認することです。

購入判断で注意したいパターン

築浅・修繕積立金が極端に安い

購入直後のキャッシュフローは良く見えますが、段階増額方式で将来大幅に上がる設計の可能性があります。

大規模修繕直前なのに積立残高が少ない

増額、一時金、借入、工事項目の削減・延期などが必要になる可能性があります。

値上げ直後で、長期修繕計画も更新済み

値上げ後の額で計画期間の必要資金を確保できており、直近数年に追加増額予定がないなら、近い将来の負担を比較的読みやすくなります。ただし保証ではありません。

大規模修繕直後だが、積立金を使い切っている

工事後残高と次の更新工事が分からなければ、「大規模修繕済み」でも追加負担は見通せません。

国土交通省は、段階増額積立方式について、均等積立方式の月額を基準額とした場合、計画初期額を0.6倍以上、最終額を1.1倍以内とする考え方を2024年改定で示しています。将来の大幅な値上げを先送りしない考え方が強まっています。

管理組合の借入金と一時金を確認する

修繕積立金が不足すると、管理組合が修繕工事のために借入れを行う場合があります。

借入れ自体が直ちに悪いわけではありませんが、購入者にとって重要なのは、借入金の返済も将来の修繕会計から出ていくことです。

国土交通省の長期修繕計画ガイドラインでは、管理組合に借入金がある場合、計画期間の支出に元本と利息の償還金を含めるとしています。

つまり、修繕積立金の不足を借入れで一時的に解決すると、

今後の修繕費 + 過去の工事の借入返済 + 金利負担

を将来の区分所有者が負担する構造になります。

中古購入前に必要な情報は次のとおりです。

  • 借入金残高
  • 借入理由
  • 金利
  • 返済期限
  • 毎年の元利返済額
  • 次回の大規模修繕時期
  • 返済中の修繕積立金増額予定
  • 修繕一時金の検討有無

修繕積立金が安いのに管理組合借入が多い物件は、現在の月額負担だけで評価しないことが重要です。

管理組合が収益を作るマンションもある

修繕積立金は、区分所有者からの月額徴収だけで積み立てるとは限りません。

国土交通省の長期修繕計画の考え方では、専用庭等の専用使用料、駐車場使用料などから管理に必要な費用を差し引いた残金を修繕積立金会計へ繰り入れることができます。また、標準様式では駐車場使用料・広告料等の収入も計画上の収入として扱われます。

そのため管理組合によっては、共用資産を活用して区分所有者の負担増を抑える工夫を行っています。

例1|駐車場・駐輪場・専用使用料

最も一般的です。平置き駐車場などで維持費に対して十分な使用料収入があれば、余剰を修繕積立金へ回せる場合があります。

一方、機械式駐車場は稼働率が低いと、収入より維持・更新費の負担が重くなることもあります。

例2|広告看板・自動販売機・通信設備等

共用部分や敷地を第三者に使用させ、使用料・広告料等を得る仕組みがあります。収入の帰属や修繕積立金への繰入方法は、管理規約、総会決議、会計処理との照合が必要です。

例3|LUUP等への空きスペース活用

LUUPは、物件の空きスペースへのポート設置をオーナー・管理者向けに案内しています。

ただし、LUUPを置けば必ず管理組合に賃料収入が入る、と一般化はできません。 対価の有無、契約主体、利用条件は個別契約で確認が必要です。

投資家が見るべきなのは「LUUPがあるか」ではなく、管理組合の収支報告書に実際の使用料収入が計上され、それが継続可能な契約かどうかです。

例4|太陽光発電

屋上等へ太陽光設備を導入し、共用部電力の削減、自家消費、余剰電力売電等を行う仕組みも考えられます。

ただし、太陽光は収入だけでなく、

  • 初期投資
  • 防水工事との干渉
  • パネル・パワーコンディショナー等の更新
  • 契約期間
  • 売電条件
  • 屋上利用・管理規約

まで確認します。

「副収入があるマンション=修繕積立金が上がらない」ではなく、副収入を含めた長期修繕計画が持続可能かを見るのが正確です。

購入前に確認する3つの資料

中古の投資用マンションでは、販売図面の月額費用よりも次の3資料を優先します。

確認する資料見るポイント
重要事項調査報告書現在の管理費・修繕積立金、修繕積立金残高、滞納額、借入金残高、変更予定など
長期修繕計画計画期間、工事項目、工事予定額、積立方式、将来徴収額、一時金、借入返済、期間中の残高推移
総会議事録値上げ議案、工事見積、借入、一時金、駐車場・広告等の収益施策、管理会社変更など直近の議論

国土交通省の令和5年度マンション総合調査では、計画上の修繕積立金に対して現在の積立額が不足しているマンションは36.6%でした。

長期修繕計画があっても、積立額が計画に届いていなければ資金は不足します。計画どおり積み立てられているかが大切です。

値上げを収支へ入れて再計算する

修繕積立金等の変化を年間収支へ反映します。

共通の前提

購入価格3,000万円
借入額2,700万円・35年・元利均等返済
通常時の家賃月12万円
空室年間30日を1か月相当として計算
その他固定費年15万円
賃貸管理委託料実受取家賃の5%

比較する3ケース

ケース変更する条件
通常管理費+修繕積立金 月2万円、金利1.5%
値上げ管理費+修繕積立金を月3万円へ変更。その他は通常と同じ
同時ストレス家賃−5%、管理費+修繕積立金 月3.3万円、金利2.5%を同時に反映

年間手残り = 実受取家賃 − 賃貸管理委託料 − 管理費・修繕積立金 − その他固定費 − 年間返済額

借入2,700万円、35年、元利均等返済の場合、年間返済額は年1.5%で約99.2万円、年2.5%で約115.8万円です。

管理費・修繕積立金が上がると、年間負担は?
通常12.8万円/年
月額費用を2万円から3万円へ24.8万円/年
家賃下落・金利上昇も同時に反映51.3万円/年

借入2,700万円・35年。棒は年間持ち出し額を0から同じ尺度で比較。

ケース年間手残り通常との差
通常−12.8万円基準
値上げ−24.8万円−12.0万円
同時ストレス−51.3万円−38.5万円

この例では、管理費・修繕積立金が月2万円から月3万円になるだけで、年間手残りは12万円悪化します。

家賃5%下落、管理費・修繕積立金3.3万円、金利1ポイント上昇が重なると、年間持ち出しは約51.3万円です。

長期修繕計画の将来額を、自分の物件収支へ入れ直してください。

不動産投資の収支シミュレーションを確認する

営業資料の数字を検証する

営業資料では、現在の数字と将来の前提が混ざっていることがあります。

営業資料の表示購入前に確認すること
修繕積立金 月○円現在額だけでなく、㎡単価、長期修繕計画上の平均額、次回増額時期、将来額を確認する
大規模修繕済み工事内容、実施年、支出額、工事後の修繕積立金残高、次回工事を確認する
値上げ予定なし総会議事録・長期修繕計画で、増額議論や将来の資金不足がないか確認する
管理状態が良い滞納率、借入金、管理計画、長期修繕計画、収支報告など具体的な数字へ分解する
月々の収支+○円将来の修繕積立金、固定資産税、保険、賃貸管理費、設備交換、空室、金利上昇を含むか確認する

管理費・修繕積立金を含む提案書全体を根拠資料へ照合する場合は、提案書の管理プランと収支表の見方を確認してください。

購入前チェック10項目

No.確認項目確認する資料・数字
1修繕積立金の㎡単価現在の修繕積立金を専有面積で割り、円/㎡・月で確認する
2建物規模階数、建築延床面積、総戸数を確認する
3高コスト設備機械式駐車場、エレベーター、特殊共用設備の有無を確認する
4長期修繕計画計画期間、作成日、直近の見直し日を確認する
5次回の増額予定次回増額時期と将来の修繕積立金額を確認する
6積立残高・滞納現在の修繕積立金残高と滞納額を確認する
7管理組合の借入借入金残高、金利、返済期限、毎年の返済額を確認する
8大規模修繕実施履歴、次回予定、工事費、工事後の積立残高を確認する
9管理組合の副収入駐車場、広告、敷地使用料等の収入額と繰入先を確認する
10将来費用込み収支将来の修繕積立金と金利上昇を入れ、年間手残りを再計算する
確認項目を開く(資料と照合する)
  1. 修繕積立金の㎡単価現在額を専有面積で割り、円/㎡・月で確認する
  2. 建物規模階数、建築延床面積、総戸数を確認する
  3. 高コスト設備機械式駐車場、エレベーター、特殊共用設備の有無を確認する
  4. 長期修繕計画計画期間、作成日、直近の見直し日を確認する
  5. 次回の増額予定増額時期と将来の修繕積立金額を確認する
  6. 積立残高・滞納現在の修繕積立金残高と滞納額を確認する
  7. 管理組合の借入借入金残高、金利、返済期限、毎年の返済額を確認する
  8. 大規模修繕実施履歴、次回予定、工事費、工事後の積立残高を確認する
  9. 管理組合の副収入駐車場、広告、敷地使用料等の収入額と繰入先を確認する
  10. 将来費用込み収支将来の修繕積立金と金利上昇を入れ、年間手残りを再計算する

月額の値上げと一時金を、保有予定期間で合計する

次の表では、3年目からの月額増と5年以内の一時金を合算します。実際の時期と金額は、総会議事録と長期修繕計画から置き換えます。

増える支払い計算追加負担
月額の増加4,000円×36か月14万4,000円
一時金1回30万円
5年合計上記合算44万4,000円

月平均=5年間の追加負担÷60か月

44万4,000円÷60か月=7,400円

一時金の支払月には30万円が必要です。月平均だけでなく支払時期も資金表へ入れます。

Smart Selectでは、総会で決議済みの金額と、長期修繕計画上の検討額を分けます。売却予定がある場合は一時金の支払期限と負担者を売買契約でも確認し、値上げ後の年間収支と、一時金を払う現金が両立するかで判断します。

よくある質問

修繕積立金は330円/㎡・月以上なら安心ですか?

一律には判断できません。国土交通省の平均は、20階未満・延床5,000㎡未満で335円/㎡・月、20階以上で338円/㎡・月ですが、20階未満の大規模マンションでは252〜271円/㎡・月程度の平均区分もあります。

まず対象マンションがどの規模区分に近いか確認し、機械式駐車場などの特殊要因を加味します。

修繕積立金が値上げされたばかりなら安心ですか?

値上げ後の金額で長期修繕計画が成立しているかが判断の分かれ目です。次回値上げ予定、一時金、借入返済、大規模修繕後の残高まで確認できれば、近い将来の追加負担を判断しやすくなります。

投資用ワンルームは共用施設が少ないので安くなりますか?

必ずしもそうではありません。小規模マンションでは、外壁、防水、エレベーター等の工事費を少ない総専有面積で分担するため、㎡当たりの負担が高くなる場合があります。

管理組合に借入があると危険ですか?

借入の存在だけで判断しません。ただし元本・利息の返済が将来の支出になるため、借入理由、残高、返済期間、次の修繕工事、増額・一時金予定まで見なければ、負担を判断できません。

LUUP・太陽光・広告収入があれば修繕積立金は上がりませんか?

断定できません。敷地・共用部から得る使用料や広告料等を修繕会計へ繰り入れる仕組みはありますが、収入額、契約期間、維持費、税務、総会決議などによって効果は変わります。判断の根拠は、実際の管理組合収支と長期修繕計画です。

次にすること

値上げ後の費用で、売る・持つを比較する

長期修繕計画の増額予定を確認し、管理費・修繕積立金を自分の物件の条件へ置き換えて比較します。

保有中・売却を考えている方優先

今売る手残りと、保有を続ける場合を比べる

売却価格の幅、残債、家賃・費用を入力し、今・5年後・10年後を比較します。

売る・持つを比較する

登録不要で試算できます。税引後の概算には、取得費・減価償却など税額計算に必要な条件も入力してください。