ワンルームの
原状回復・リフォーム。
いくら備え、いつ直す?
退去時の予算、管理プランによる自己負担、設備の交換時期。20〜25㎡の1R・1Kを中心に、見積もりを判断するための数字を整理します。

清掃だけと、壁・床・設備の更新。
同じ「原状回復」でも中身が違う。
1R・1Kのハウスクリーニング費の目安。税区分の明記なし。15
志木市・1K。床の張り替えや設備の全交換を含まない施工例。17
さいたま市・1R。壁・床に加え、IHやモニターホンなども更新。18
上段は解説上の目安、後ろ2件は個別の施工事例です。同じ条件の相場比較ではなく、工事範囲の違いを示しています。借主負担・保証適用後のオーナー支払額ではありません。
管理会社には、清掃・部分補修で募集できる案を先に出してもらいます。壁紙の全面張り替えや設備交換を加える場合は、傷みの写真と追加理由をセットで確認します。
退去後の工事には、
3種類のお金が混ざっている。
不注意による破損など。原因・経過年数・補修範囲に応じて借主負担を精算。
壁紙の日焼け、設備の経年劣化など。原則はオーナー側の維持費。
モニター付きへの変更、キッチン更新など。再募集に向けたオーナーの投資。
国交省ガイドラインの「原状回復」は、借主の故意・過失などによる損傷を直す考え方です。実務の「原状回復工事」の見積もりには、清掃や通常損耗の修繕も含まれるため、工事の総額と借主への請求額を分けて読みます。1
借主負担は契約・有効な特約・入退去時の状態で個別に精算。敷金は預り金なので、全額を工事予算に算入しません。
どこまで直すかで、
必要な費用を見積もる。
室内クリーニング
1R・1Kの清掃費用の目安。壁紙・床の張り替えは別。
壁紙・清掃・小修繕
1Kの施工例。エアコン洗浄、浴室の鏡・シーリング等を含む。床は張り替えなし。
内装と設備をまとめて更新
1Rの施工例。壁紙52㎡・床15㎡、木部塗装、IH・モニターホン等を含む。
工事範囲が異なる目安・事例です。オーナーの自己負担は借主との精算や保証の適用後に確認します。
専有面積25㎡と壁紙25㎡は別です。見積もりのm・㎡、一面だけか全面か、下地処理・処分費・諸経費をそろえて比較します。数量が不明な「一式」は内訳を求めます。
交換したい設備から、
費用と確認点を見る。






価格は公開例です。掲載画像の機種の見積額ではありません。機種・現場条件・追加工事によって総額が変わります。
先に直す
漏水、お湯が出ない、冷暖房が効かない。暮らしに支障がある不具合は、賃料アップの有無とは別に対応します。
追加投資として選ぶ
使える設備の高機能化、全面的な内装変更。成約家賃と募集期間の改善が費用に見合うか比べます。
キッチンは本体が使えてコンロだけ故障なら、コンロの交換案も取る。浴室も水栓や換気扇だけで済むのか、漏水・本体の劣化で全交換が必要なのかを分けると、発注額が大きく変わります。
25〜27㎡のリノベーション施工例
どちらも個別の過去事例で、現在の標準価格ではありません。通常の退去清掃と分けて検討します。
狭い部屋では独立洗面台の追加で居室や収納が減る場合があります。配管・管理規約上の可否、工期中に入らない家賃を含め、設備を増やした後の間取りで募集競争力を確認します。
工事総額から、
オーナーが払う分を切り出す。
= オーナーの工事自己負担
借主負担と保証支払いを二重に差し引かないよう、精算書で確認。工事代の立替えが必要な場合は、入金までの資金も確保します。
| 契約の内容 | 自己負担に残りやすい費用 |
|---|---|
| 通常の賃貸管理のみ | 借主負担等を除いた修繕費。管理料に工事代が含まれるとは限らない |
| 設備保証あり | 壁紙・床・清掃、対象外設備、免責・上限超過分 |
| 原状回復+設備保証あり | グレードアップ工事、対象外の傷み・設備、免責・上限超過分 |
実際の公開サービス例
| サービス | 保証料 | 具体的な対象・条件 |
|---|---|---|
| ランドネット 設備保証のみ | 月1,210円 | 給湯器・エアコン・換気扇・インターホン 8 |
| 同社 設備+原状回復 | 月3,410円 30㎡未満 | 上記1,210円+原状回復2,200円。借主の家賃保証会社加入等が条件 8 |
| スカイコート そなエール | 月3,300円 40㎡未満 | 対象設備の修理・交換、原状回復。ユニットバス交換は対象外 9 |
保証料は税込。通常の管理料等は別途確認。ランドネットの設備保証は加入時一括年払い。対象物件・加入審査・開始時期・既存故障・上限・免責・解約条件は契約書を優先します。加入後も、希望する改装がすべて保証されるわけではありません。
5年間の保証料と、その間に想定する保証対象の自己負担工事費を比べます。新しい設備ばかりなら保証料が割高になるケースもあり、古い設備が重なるなら急な支払いを抑える価値があります。
空室中の家賃をカバーする契約と、工事費をカバーする契約は別項目です。「家賃保証あり」だけで自己負担ゼロとせず、今回の見積もりに保証対象/対象外/免責額を記入してもらいます。
退去ごとの内装確認と、
10年前後からの設備更新。
壁紙・床・清掃
汚れ・臭い・傷の範囲を確認。部分補修か全面更新かを決める。
浴室
LIXILの買替え検討目安。水栓・換気扇は本体と別に点検。12
年数は使用・製造からの目安で、一律の交換義務や無故障保証ではありません。症状・使用環境・メーカー指定を優先。キッチン等の水回りも、メーカーは10〜20年を修理・交換検討の目安としています。13
製造から11年の給湯器を残すなら、入居中の故障時にも交換対応が必要です。今交換する見積もりと、点検して継続使用する案を比較。壁紙は「退去したから全貼替え」ではなく、臭い・変色・補修跡が募集上の支障になる範囲を直します。
設備の人気を、
工事の優先順位に使う。
モニター付きインターホンを望む社会人は 84.4%
出典:アットホーム「UNDER30 2025 賃貸編」。全国18〜29歳の単身賃貸契約者1,635人(学生・社会人合計)、2025年7月18〜24日、Web調査。上図の割合は社会人の回答。質問が異なるため、84.4%と上の3項目を同一ランキングにはしていません。14
| 調査から考える工事 | SMART SELECTの見方 |
|---|---|
| エアコンの不調 | まず基本機能を回復。高級な壁紙より先に、暮らせる状態を整える。 |
| モニターホンがない | 少額で改善できる候補。共用設備との接続と規約を確認して見積もる。 |
| バス・トイレが一体 | 需要はあるが、分離は配管・面積の制約が大きい。近隣の成約家賃差と総工事費を比較する。 |
この調査が示すのは設備への希望です。設置によって家賃が何円上がるかという因果関係や相関係数を測ったものではありません。家賃差の検証には、同じ建物または近隣で、面積・階・向き・成約時期をそろえた改装前後の成約事例を使います。
掲載事例では月1.5万円の家賃差。
工事代との比較まで行う。
前節の25㎡・工事費173万円の事例。20 サイト掲載賃料で、成約賃料か募集賃料かは明確ではありません。周辺相場の変化などもあるため、差額すべてを工事の効果とは断定できません。
管理会社に、①清掃・必要修繕だけ、②追加改装あり、の2案で工事費と成約見込家賃を出してもらいます。退去前の古い家賃との比較ではなく、同じ募集時点での2案の家賃差を使います。
= 追加投資の単純回収年数
家賃が上がらなくても、故障解消や募集条件の改善には意味があります。ただし「早く決まる」という説明には近隣の募集期間の実績を求め、工事で入居開始が遅れる日数も加えて判断します。
一律の月額ではなく、
自分の部屋の支払予定から決める。
清掃・内装の総額と、実際のオーナー負担を確認。全面更新した回と軽微な回を分ける。
製造年・交換年・不具合を一覧化。近く更新する設備の見積もりを取る。
対象外・免責・上限超過分だけを工事予算へ。保証料は毎月の経費へ。
| 準備するお金 | 見積もり方 |
|---|---|
| 次の退去に備える資金 | 管理会社から、清掃・部分補修で済む案と、傷みがある場合の追加工事案を取得。借主負担が未確定の段階では安易に控除しない |
| 近い将来の設備交換資金 | 交換見積額から保証適用額を引く。既存の積立残高も確認 |
| 月々の積立 | 予定時点の不足額 ÷ そこまでの月数。急な退去・故障には別途、即時に使える資金を用意 |
専有部の設備・内装用に残高を管理します。「毎回全面張り替え」「必ず4年で退去」といった仮定で固定せず、退去精算・設備交換のたびに実績へ更新します。
管理会社には、この5点を依頼。
- 清掃・壁紙・床・設備ごとの数量と単価、税込総額。
- 借主負担、管理保証の対象、オーナー自己負担の内訳。
- エアコン・給湯器の製造年と、修理・交換それぞれの見積もり。
- 基本修繕だけ/追加改装ありの成約見込家賃と比較事例。
- 工事完了日、募集写真の更新日、入居可能日。