
左が二子玉川駅、中央が商業・業務街区、右側が住宅街区と二子玉川公園です。図は当時の計画を示す公式資料で、現在の店舗配置や工事予定図ではありません。
二子玉川ライズは住宅・商業・オフィスを組み合わせ、2015年に第2期が竣工した再開発です。完成後の町丁目人口、駅利用者数、区全域の所得指標を並べると、人の動きと居住人口が同じように増えるわけではないことが分かります。
二子玉川ライズ(完成後の検証事例)|東京都世田谷区玉川一丁目・二丁目・三丁目
| 項目 | 公表内容 |
|---|---|
| 所在地 | 東京都世田谷区玉川一丁目・二丁目・三丁目 |
| 最寄り・関連駅 | 二子玉川駅 |
| 主な事業者 | 二子玉川東地区市街地再開発組合・二子玉川東第二地区市街地再開発組合 |
| 工程 | 2011年第1期・2015年第2期竣工/完成後の比較事例 |
| 規模 | 第1期延床約266,600㎡/第2期延床約157,000㎡ |
| 用途 | 商業施設・タワーマンション・オフィス・ホテル |
出典:二子玉川ライズ・開発概要(2026年9月10日確認)。
商業地に就業・居住機能が重なるまで
二子玉川は行楽地から商業地へと変わり、ライズでは商業にオフィスと住宅が加わりました。公式の年表では1982年に開発の取組が始まり、2011年に第1期、2015年に第2期が竣工しています。
| 事業 | 完成した主な機能 |
|---|---|
| 第1期 | 商業・事務所・住宅。住宅街区は地上42階、高さ約150mを含む。 |
| 第2期 | 店舗・事務所・ホテル・映画館・フィットネス・ホール等。地上30階、高さ約137m。 |
| 歩行者空間 | 駅から公園へ続くリボンストリート |
出典:二子玉川ライズ・期別開発概要(2026年9月10日確認)。
出典:二子玉川ライズ・開発年表(2026年9月10日確認)。
玉川1〜4丁目:人口と世帯数は違う動き
| 年 | 人口 | 世帯数 | 人口の2015年比 |
|---|---|---|---|
| 2015 | 12,286人 | 6,250世帯 | 0.0% |
| 2020 | 12,653人 | 6,453世帯 | 3.0% |
| 2024 | 12,177人 | 6,387世帯 | -0.9% |
2024年の人口は2015年より109人少ない一方、世帯数は137世帯多くなっています。人口だけで賃貸の世帯需要を判断すると、この違いを見落とします。対象範囲は玉川1〜4丁目で固定し、行政区全体や駅の利用圏とは分けています。
2015年1月は第2期竣工前ですが、第1期は既に完成しています。再開発前と完成後を厳密に比べた調査ではありません。
出典:世田谷区・2015年町丁目人口(2026年9月10日確認)。
出典:世田谷区・2020年と2024年町丁目人口(2026年9月10日確認)。
二子玉川駅:2011年比増加でも2019年水準には未回復
2024年度は140,353人で、2011年度の121,229人より15.8%多い一方、2019年度の163,140人より少ない水準です。2020年度には102,470人へ減少しており、コロナ禍や通勤・来街行動の変化も推移に含まれます。
国交省データの駅合計に相当する行を使い、路線別の重複行を加算していません。駅の乗降には買い物・通勤・来街が含まれ、周辺居住者だけの増減ではありません。
出典:国交省・駅別乗降客数、S12データ(2026年9月10日確認)。
所得指標:世田谷区全域では名目20.4%増
| 年度・各7月1日 | 所得割の納税義務者 | 所得金額合計 | 1人当たり所得金額 |
|---|---|---|---|
| 2015年度 | 461,932人 | 2,270,397,002千円 | 約491.5万円 |
| 2024年度 | 501,495人 | 2,966,830,649千円 | 約591.6万円 |
「所得金額合計×1,000÷納税義務者数」で算出した名目額は20.4%増加しています。給与収入の平均ではなく、特別区民税所得割の対象となる所得の集計で、所得控除後の課税標準額とも異なります。
集計範囲は世田谷区全域です。二子玉川の住民の所得や、物価上昇を除いた実質所得の増加を示す値ではなく、再開発の因果効果として使うことはできません。
出典:世田谷区統計書(令和5年版まで)(2026年9月10日確認)。
出典:世田谷区統計データ(2026年9月10日確認)。
新しい再開発の物件選定に使える比較軸
| ライズで観察した事実 | 他の計画で比較する内容 |
|---|---|
| 人口減でも世帯数増 | 世帯の規模と、供給する住戸の広さ・間取りを合わせて見る。 |
| 駅利用者数と人口の違い | 来街者・就業者と、住居を借りる人を同じ母数にしない。 |
| 住宅・商業・オフィスの複合化 | 住宅供給の競合と就業先の増加を別々に比較する。 |
| 所得は広域集計 | 区平均を対象マンションの入居者所得や負担できる賃料に直接置き換えない。 |
SHIBUYA UPPER WESTやTAKANAWA GATEWAY CITYも複数用途の計画ですが、駅の利用目的、既存住宅の構成、供給規模は異なります。ライズの増減率を将来の価格上昇率として転用する比較には使えません。
世田谷区の居住人口
| 集計範囲 | 2026年8月1日推計 | 統計の基準 |
|---|---|---|
| 世田谷区全域 | 959,295人 | 2025年国勢調査速報値を基に補正 |
世田谷区全域の居住人口です。駅徒歩圏の人口、昼間の就業者、再開発後の予測人口とは集計範囲が異なります。
出典:東京都の人口(推計)(2026年9月10日確認)。
よくある質問
再開発後に二子玉川の人口は増えましたか?
玉川1〜4丁目の各年1月1日の住民基本台帳人口は2015年12,286人、2020年12,653人、2024年12,177人です。比較期間により増減が変わり、継続的な増加とはいえません。
世田谷区の所得上昇はライズの効果ですか?
この比較では判定できません。対象は世田谷区全域の所得割納税義務者で、景気・物価・納税者構成なども変わっています。二子玉川の再開発による因果効果を測った値ではありません。
物件選定に関する記述は、公表事実に基づく編集部の見解です。
